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行政書士の勉強会と有料講座について

今日はお客様との打ち合わせ後、研修会に出席してきました。時間がないので、食事は駅の自動販売機で買ったカニ雑炊。

今回受けたのは、行政書士会主催ではなく、行政書士の有志が開催する勉強会なのですが、人によってはカモにされていると感じるようです。今回は行政書士向けの有料講座についてお話ししたいと思います。

行政書士会の研修ではすべても網羅できない

行政書士向けの研修は、日本行政書士会連合会の「中央研修所」で無料のWEB研修を受講できるほか、各行政書士会でも無料あるいは低価格での研修の受講ができるのですが、すべての研修を中央研修所や行政書士会で網羅できるわけではありません。特定の分野について「もっと学びたい」と思う場合には、さらにお金を出してもっと学んでいくことになります。

また中央研修所や行政書士会の場合、研修をやりたいからと言ってすぐにできるわけではありません。研修を開催するまでは、企画・立案・講師の確保、予算の承認といった手順が欠かせないので、自分の受講したいものや学びたいものがある場合、行政書士会主催のものだけでは、何年も待つ羽目になるかもしれません。
 

有料コンテンツが高くなるのはなぜ?

当然のことですが、今欲しい知識やノウハウを学ぶため、自分たちで作ってしまおう、という人が出てきました。これは当然の流れであり、行政書士の世界に限ったことではないと思います。自分も含め、その恩恵を受けている行政書士も少なくありません。

また、行政書士会が開催する場合には、研修用の部屋や必要なテキスト作成、経費は、行政書士会から出されるので、費用は比較的安く済みます。しかし、個人や有志でやる場合には、研修会場やテキストの作成などはすべて自分たちで行うことになります。その場合、費用が高くなるのは当然です。有料=カモにしているとは言い切れないと思います。

見分けるのは自己責任

時折指摘されることですが、有志の行う研修には粗悪なものも含まれます。「研修とか言って商材を売りつけようとした」「内容があまりにもお粗末だった」という話もあるので、申し込む前に注意が必要です。確かに気の毒な話ですが、最終決定は自分でしなければいけませんどんな研修を申し込むか、ということも当然に含まれるのではないでしょうか?

そしてもう一つ、「自分に合わなかった」という理由で「あの研修はダメ」とも言えません。よく考えて決めることはもちろんですが、まわりの行政書士との情報交換や情報共有をすれば、「変な有料講座に騙された」というリスクは減らせるはずです。

自動運転車では交通事故は起きないのか

今回は自動運転車は安全なのか、事故を起こす心配はないのか、書いていきます。
テレビのコマーシャルでも、自動運転車がPRされています。自動運転車の購入を検討されている方は、是非チェックしてくださいね。

自動運転車では事故は起きないのか

大前提として、「自動運転の技術が高い=安全性が高い」ということは言えません。技術力と安全は比例するわけではないので、自動運転車だから絶対に事故は起きないと言い切ることはできません。

事故が起きたら、誰の責任になるの?

もし自動運転車で事故を起こしたら、その責任は誰にあるのでしょうか?

安全運転支援システム(レベル1)や准自動走行システム(レベル2)が搭載された自動車の場合には、運転者が運転に大きくかかわっているため、当然にドライバーが責任を負うことになります。

その一方、准自動走行システム(レベル3)の車で事故が起きた場合には、少々事情が変わります。准自動走行システム(レベル3)は、一定の条件のもとではシステムがすべての運転操作を行います。条件を外れた場合や条件のもとであっても自動運転が難しいと判断した場合には、システムではなくドライバーが運転することになります。この場合にはドライバーとメーカー、両方の責任が問われると予想されます

さてレベル1~3まではドライバーが運転に関わります。しかしながらレベル4の完全自動走行システムは、人には依存しません。ドライバーの存在は前提となりません。車の所有者は、ソフトウエアのアップデートなどがを行う義務がありますので、レベル4の車でも、ドライバーの責任はゼロにはなりません。

 

さいごに

自動運転車はより安全な自動車として注目されており、高齢者による交通事故問題も解消することが期待されています。そして公共交通機関の恩恵を受けられない地域では、新たな交通手段としても使うことができそうです。

しかし今後克服しなければならない課題もあり、これからの課題と言えるでしょう。

例えば、自動運転車と人間が運転する車が混在する場合にどうするのか、という問題点があります。自動運転車とそうでない車が道路上で混在した場合、これまで思いもよらなかったトラブルが起きる可能性があり、その対応が求められるでしょう。

このブログを書いている時点では、まだわからないことも多いです。今後分かることがあれば、あらためてブログでご紹介できればと思います。本日も読んでいただきありがとうございました。

 

行政士試験合格発表によせて

もうすぐ行政書士試験の合格発表です。このブログを読んでくださる方の中にも、行政書士試験を受験された方もいらっしゃることと思います。交通事故業務を扱う行政書士の方が増えてほしいと願っていますが、今回は行政書士試験合格後にすることを少しだけお話ししたいと思います。

忘れないでほしいこと

まずこれは、行政書士になるか、ほかの道を選ぶかにかかわらず、忘れないでほしいことです。

行政書士試験に合格しただけでは、人生はバラ色にはなりません。これから先も継続的な努力を続ける必要があります。もちろん行政書士試験の合格は大いに喜ぶべきことです。でも、ひとしきり喜んだ後は、次のステップに向けて進みましょう。

この先どうするか?

合格後の進路として多いのは

  • 行政書士事務所の開業準備
  • 就職活動
  • 別の資格試験の学習

などと思います。

もし行政書士事務所を開業したい場合には、

  1. 事務所運営の資金はできるだけ多く確保
  2. 勉強を続ける
  3. 心身の健康を整える
  4. 可能なら人脈を作る

この4点も考えてください。

さて行政書士事務所を開業すれば、登録費用、家賃、研修費用、備品など、仕事が来なくても出費があるため、資金はできるだけ確保した方が、安心して事務所運営できると思います。

勉強を続ける理由ですが、一度勉強の習慣を全くなくしてしまうと、また勉強の習慣をつけるのは大変なことです。行政書士は法改正等にも対応しなければいけませんし、新たな業務への勉強も必要です。

さて、行政書士試験をはじめ、国家試験の受験には心身ともにかなりのエネルギーを使います。試験が終わった今、心身のメンテナンスをしましょう。これは本当の話ですが、行政書士になってから体を壊してしまった…という方もいます。

最後の人脈作りは、特別なことをする必要はありません。まずこれまで支えてくれた人や応援してくれた人に対して「無事に合格しました、これまでありがとう」と感謝の言葉を伝えましょう。

何かをしてもらったときに感謝を伝えるのは礼儀ですし、「これから行政書士になる」と認識してもらえるチャンスなのです。

登録に向けてのステップ

さて行政書士になるためには、事務所所在地の都道府県にある行政書士会を通じて行政書士登録を行う必要があります。

事務所をどこに置くか決めたら、早めに行政書士会のホームページにアクセスしましょう。登録したい方向けの情報や、連絡先が載せられていますので、それに従って手続を進めてください。

能登地方での地震御見舞と、災害時のアクシデント防止策

まずはじめに、2023年5月5日14時42分、能登地方で発生した地震に遭われた皆様、被害を受けられた皆様に対して、心よりお見舞い申し上げます。また、能登地方にご親族やお友達がいらっしゃる方々も、心を痛めておられることと思います。しばらくは大変な状況が続きますが、病気やけがに気をつけて落ち着いて行動していただき、一日も早い復旧を願うばかりです。

このブログは交通事故や自動車保険の話を中心に書いているブログですが、今回は災害時に交通事故を含めてあらゆるリスクを減らすにはどうすればよいか、自分の経験も含めて書いていければと思います。

私自身、東日本大震災で被災した経験があり、その後の混乱した状況はいまでもはっきりと覚えています。地震のような災害発生後、混乱した状況になりますから交通事故を含めたリスクが高くなってしまいます。災害に巻き込まれずに過ごせれば一番良いのですが、こればかりは何とも言えません。いざという時、本日の内容が少しでもお役に立てばと思います。

 

災害後、落ち着いて行動する

「落ち着いて避難してください」

災害が起きると、こんなアナウンスが流れることが少なくありません。災害そのもののせいでケガをする人もいますが、災害後のパニックによって起きたアクシデントでケガをする人も少なくないからです。

これは災害発生直後の話とは限りません。

私の見たことですが、東日本大震災の時にはガソリンが不足し、数週間の間はガソリンスタンドの列に並ばなくてはいけませんでした。これはなかなか我慢が必要です。

感情を爆発させても仕方がないのに、順番待ちの車から降りてガソリンスタンドの人に文句を言っている人がいたのですが、車に戻ろうとしたところ、道路の亀裂に足を取られて転びケガをしてしまいました。

落ち着いて考えればガソリンスタンドのせいではないことくらい、すぐにわかります。落ち着いて考えて行動すれば、こんなつまらないケガはしていないでしょう。他の車と接触しなかっただけ、ましかもしれません。

必要以上の外出は避ける

災害時であったとしても、通院、日用品の買い物、家族の送迎など、どうしても必要な外出があります。通れない道があれば、その分他の道が混雑しますので、混雑する時間はできるだけ避けることをお勧めします。

加えて野次馬として、災害の状況を見に行くといった行為はやめましょう。災害に遭った場所ですから、足場が悪い、交通の便が悪い、ということは当然ですが、それに加えて、地域で暮らしている人達の感情を逆なでする行為です。当然トラブルになりえます。

「野次馬なんかじゃない、救援ボランティアにいくんだ」という場合にも、準備せずに現地に行くことはやめましょう。救援ボランティアに参加したいと思った場合には、まず情報収集をしてください。直接被災地の役所に電話で問い合わせてはいけません。SNS等で情報発信されている場所も多いので、まずはそれらを確認することをおすすめします。

 

少し遅めの冬休みをいただきました

交通事故被害者サポート行政書士さいぽーです。早いもので今年ももう1月終わってしまいました。

年末に親族と集まりましたが、厳密には休みではなく、どちらかというと親族対応。当然仕事はしていませんでしたが、自分自身の休みという感じは全くありません。むしろ親族対応以外は、年末年始は仕事ばかりしていたような気がします。

というのは年末年始の休みの間に「相談したい」というお問い合わせが多かったので、お客様との面談に使う時間が必要になったからです。直接お会いする機会だけでなく、パソコンを使ってオンライン面談も行いました。年末年始も事務所を開けていたおかげで、大勢のお客様と面談ができ、良いスタートを切れたような気がします。そうこうしているうちに忙しさが落ち着き、少し時間がとれそうだったので自分自身の冬休みは2月になってからとなりました。

平日の水族館を満喫

昨年の夏、同業の行政書士から関東地方にある水族館のお土産をいただいたのですが、その時にショーがとてもよかったという話を聞いており、いつか行きたいと思っていました。

その水族館は関東地方とはいっても、少しへんぴな場所にあり、「ちょっと寄り道」という感じで寄れる場所ではなかったので、「当分いけないな」とあきらめていたのですが、2月の平日ならすいていそうだなと思い、この機会に行くことができたのです。

大好きなイルカをしばらく眺め、そのあとは一番見たかったシャチのショー。前の方で見ることができましたが、シャチがジャンプをした時に思い切り水をかけられてしまいました。一時的に寒い思いをしましたが、室内で魚やカニ達の姿に癒されて、すっかり満喫。楽しい冬休みになりました。

行政書士は休みの確保が難しい?

念願の水族館へ行くことができて、楽しい冬休みを過ごすことができました。行政書士の仕事は「自由業」ともいえるのですが、お客様の都合次第で動くことも少なくありません。サービス業なので、お客様の都合をできるだけ優先させるのは当然のことですが…

勤めていたころは、勤め先の会社は土日祝日は定休日だったので、ほぼ確実に休みが取れていましたし、そうでない時も休みの申請をしておけば、休みは比較的自由にとることができました。

行政書士の仕事はやりがいのある仕事です。しかし会社という枠がない分、スケジュールの調整を含めてすべて自己責任。今年は上手に予定を調整しながら、仕事もプライベートも充実させていきたいです。

 

 

自動運転車はどんなものか?

年末に親族で集まったのですが、叔父夫婦が「今度買う車は自動運転のやつがいいかなあ」とい話し出しました。年齢から考えると免許返納も視野に入る70代ではあるのですが、叔父夫婦は郊外に住んでいるため、車がないと買い物に行くことすら大変な環境です。

確かにテレビを見ていると、自動車のコマーシャルを見る機会も多いのですが、このごろ「自動運転技術搭載」という言葉をよく耳にします。危険に気づいてくれ自動で止まるので、事故を防げるという説明ですが、私自身も詳しくは知らなかったので少し調べてみました。今回は自動運転車はどんなものか書いていきます。

自動運転車とはどんなものか

自動運転車には6段階のレベルがあります。

レベル0:運転の自動化を全くせずすべて人が動かすものは自動運転レベル0と呼ばれています。

レベル1:運転支援技術が搭載され、アクセルやブレーキの操作による加速や減速をシステムが制御したり、ハンドル操作による左右の制御の監視・対応をシステムがおこなう車です。緊急自動ブレーキの機能や、車線を外れたことを検知し、ステアリング操作をアシストする機能のある車が該当します。

レベル2:部分的に運転が自動化された車両がレベル2に該当します。アクセルやブレーキの操作や、ハンドル操作による左右の制御はシステムが行います。そうはいっても、運転の主体はドライバーなので、システムはあくまで運転のサポートという位置づけです。当然にドライバーは常にハンドルを握っていなくてはならず、運転状況を監視操作しなくてはいけません。

レベル3:一般的に「自動運転車」という場合、このレベル3~が該当します。一定の条件がそろえば、運転の主体がドライバーからシステム側に変わる点がポイントです。しかし緊急時の対応はできず、緊急事態が起きた際には、ドライバーが運転操作を行います。

レベル4:レベル3では緊急時はドライバーが運転操作をする必要があるので、ドライバーは周囲に気を配り、安全にハンドルを握れる体勢でいる必要がありました。しかしレベル4は「限定領域内」という制限があるとはいえ、操作はシステムが行うこととなり、「高度な自動運転」とも呼ばれます。

レベル5:レベル4に設けられていたような走行エリアの限定はなく、どこを走行しても問題ありません。運転はすべてシステムが担当しており、ドライバーは不要です。

今後の技術の発展に注目

今回は自動運転車がどのようなものか、書いてみました。クラウンやスカイラインなどには、すでにレベル1の機能が搭載されているものもあり、「乗ったことがある」というかたもいらっしゃるかもしれませんね。自動運転の技術がどのように進んでいくのか、目が離せません。これからも注目していきたいと思います。

交通事故の警察への届出について

交通事故が発生した場合には、警察に届け出なければなりません。これは、運転者としての義務ですので、届出は必ず行うようにしましょう(道路交通法72条1項)。

交通事故の届出には、「人身事故」の届出と「物損事故」の届出の2つの種類があります。

この点について、交通事故の加害者から「物損事故にして欲しい。」などと頼まれたという方もいらっしゃるでしょう。

そのときに相手の頼みに応じても良いものなのかを判断するためには、「人身事故」と「物損事故」でどのような取り扱いの差があるのかを理解している必要があります。

交通事故を警察に届け出することの意味や人身事故と物損事故の違いについて解説していきます。

警察への届け出の意味

交通事故を警察に届け出すると、それぞれの当事者の事情聴取と実況見分が行われます。そして、その手続を終えると交通事故証明書の発行を受けられるようになります

交通事故証明書は、自賠責保険や任意保険など保険金請求の場面で必要になる重要な書類です。当然のことながら、交通事故としての届け出がされてなければ、保険金の支払いも受けられなくなってしまいます

交通事故を警察に届け出することなく当事者同士で勝手に示談をしてしまったというケースもありますが、これは届出義務という法律上の義務に違反する行為であり、後にトラブルとなっても解決するのも難しくなるでしょう。

また、相手方が事故現場から逃走してしまったというような場合でも、警察への届け出は必ず行うようにしましょう。

届け出をしないと、ひき逃げなどでの捜査をしてもらえないのはもちろんのこと、保険請求の手続もできなくなるので注意が必要です。

「人身事故」と「物損事故」の違い

人身事故と物損事故の違いとしては、まず、加害者が刑事罰を受ける可能性があるのか、免許の違反点数が加算されるのかという違いがあります。

被害者の方の中には、加害者が処罰されたり、違反点数が加算されたりということについては、関心のない方もいらっしゃるでしょう。

しかし、人身事故を物損事故の扱いとすることで被害者自身も不利益を受けることがあります

人身事故の場合には、自賠責保険や任意保険から治療費や慰謝料の支払いを受けることができます。
物損事故の扱いであっても、これらの支払いに対応してくれる場合もありますが、人身事故扱いの場合と比べて不十分なものとなる可能性が高いでしょう。

また、事故状況に争いが生じた際に、物損事故扱いでは、警察から実況見分調書を取り寄せることができなくなります。
実況見分調書がなければ事故状況の証明は難しく、加害者に有利な結果となってしまう可能性もあります。

そのため、加害者から物損事故にして欲しいなどの要望があっても、受け入れることはおすすめできません。

示談書作成のポイント

今回は、示談書作成のポイントについてご説明致します。

示談書作成は、加害者側であるか、被害者側であるかで変わってきますので、分けてご説明したいと思います。

加害者側で示談書を作成する場合

損害賠償の請求権者と示談しているかどうか

たとえば、物損事故の場合、損害賠償の請求権者(損害賠償を法的に請求できる人)は、車両の所有者です。

実際に車を運転している人が当事者だと認識しがちですが、たとえば、旦那さんの車を奥さんが運転していて、奥さんが事故をした場合、車の損害賠償を請求できるのは旦那さんです。

この場合に、車両の修理費等について奥さんと話をして示談をしても、旦那さんと示談していなければ、意味がありません。

交渉の窓口になるのは、大体「声の大きい人」なので、その人と示談しておけば、あまり問題になる場合は少ないですが、たまに「聞いてなかった」という場合もありますし、そうなった場合には取り返しがつかないので、示談する際には注意が必要です。

免責条項を入れているかどうか

免責条項とは、「この示談により、一切が解決したものとし、今後、互いに一切の金銭請求をしないものとする」といった条項のことをいいます。

この免責条項あれば、後で相手方が「そういえば、こういった損害もあった」と言ってきても、免責条項を理由に断ることができますし、逆に、なければ、そういった「後出し」を許すリスクが残ります。

加害者側で示談書を作成する場合には、この免責条項がなければ書類にする意味がないと言っても過言ではありません。

被害者側で示談書を作成する場合

請求漏れがないかどうか

交通事故の損害賠償では、治療費、休業損害、通院慰謝料といった損害項目を積み上げて、トータルの損害額を算出するという方法が採用されています。

そして、損害項目として何があるのか、各損害項目としてどういったものが・どの範囲で請求できるのか、といったことも、大体「相場」が決まっています。

ただ、こういった「相場」を念頭に置きつつ、「漏れなく」損害を請求することは、専門的な知識が必要です。

一旦示談してしまうと、後で「こういう損害も請求できたのに」と気が付いても遅いですから、示談する前には、一度、法律の専門家に相談することが勧められます。

過剰な免責条項が入っていないか

加害者側では、被害者側から示談後に追加で請求されることを避けるために、免責条項が重要であることをご説明しました。

そうすると、被害者側で示談する際には、免責条項を除きたいところですが、それでは示談にならないので、免責条項を設けること自体は仕方がありません。

他方、免責条項を設けた場合であっても、示談当時には予見できなかったような後遺障害が後で発生した場合には、免責条項の対象とならないと考えられています。

しかしここで、「今後、どのような後遺障害が将来的に発生しようとも、その内容を問わず、一切請求できないものとする」といった過剰な免責条項が挿入されていた場合には、問題です。

もちろん、こういった過剰な免責条項は無効(意味がない)と判断される可能性もありますが、できる限りリスクは避けたいですから、被害者側として示談する際には、免責条項については注意して確認することが勧められます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

示談書のテンプレートは、ネットでも探せば沢山出てくるので、それらしいものは誰でも作成できます。

しかし、一旦作ってしまうと、きちんと法的な拘束力を持つものですから、作成する際には、一度、法律の専門家にご相談させることをオススメ致します。

以上

むち打ちで後遺障害を獲得するためのポイント

今回は、特によく見かける、むち打ちで、後遺障害を獲得するためのポイントについてご紹介いたします。

後遺障害等級を獲得するメリット

後遺障害等級を獲得するメリットは、何より慰謝料が増額するという点にあります。

たとえば、同じむち打ちのケースでも、後遺障害の14級が付けば、それだけで自賠責から75万円という金額が上乗せされます。

後遺障害等級が認定されない、いわゆる非該当のケースと比較すると、後遺障害14級が認定されるかされないかだけで、最終的な受取金額に100万円近くの差が出る場合もあります。

そういう意味で、後遺障害等級は、獲得できる見込みがあるのであれば、是非とも、獲得を目指すべきといえます。

後遺障害を獲得するためのポイント

事故後、早い段階でレントゲン、MRIを撮影してもらう

後遺障害の認定にあたっては、画像所見が一番重視されます。

簡単にいうと、レントゲンやMRIで神経症状の根拠となるような画像が認められれば、後遺障害が認定されやすいですし、認められなければ認定されにくい、というのが一般論です。

そして、レントゲンやMRIを撮影する時期は事故直後が望ましいです。

なぜなら、事故から時間が経過してしまうと、仮にレントゲンやMRIで神経症状の根拠となるような画像が認められたとしても、それが事故によってそうなったのか、自然経過としてそうなったのかが分かりにくくなってしまうからです。

また、レントゲンは骨しか映らないので、特にむち打ちなどの神経症状の場合には、MRIも撮影してもらっておいた方が良いです。

MRIの費用は1万円など高額ですから、相手方の保険会社が治療費等の負担をしている間に撮影しておくことが勧められます。

頑張って定期的に通院する

また、定期的な通院も大事です。

たとえば、通院に1か月くらいの期間が空いてしまうと、「本当に後遺障害が残るような怪我なのか」という疑いが出るからか、後遺障害が認定されにくいです。

逆に、定期的に通院を継続しているケースでは、画像所見がなかったとしても、「通院経過に照らせば」というような形で、後遺障害14級が認定されるケースが散見されます。

そういった意味で、頑張って定期的に通院することが大事です。

なるべく詳しく後遺障害診断書を書いてもらう

自賠責保険では、後遺障害申請をする際、定型の後遺障害診断書をお医者さんに書いてもらい、提出することが必要です。

後遺障害の認定にあたっては、この後遺障害診断書が極めて重要ですから、お医者様には、なるべく詳しく後遺障害診断書を書いてもらうことがオススメです。

後遺障害診断書には、他覚所見(画像や検査の結果から分かる見解)と、自覚症状(患者様の主観的な訴え)を記載する欄がありますが、特に他覚所見が重要です。

お医者様には頼みにくいかもしれませんが、「できる限り詳しくお願いします!」と頼んでみましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

冒頭でご説明しましたとおり、後遺障害が認定されるかどうかは最終的な賠償額に大きく影響します。

皆様の助けになれば幸いです。

以上