行政書士への相談はどこから有料になるの?

「行政書士への相談は無料なの?」
「どこからが有料になるの?」

行政書士をしているとよく聞かれる質問です。先にお答えすると、各事務所によりルールが異なるので、それぞれの事務所に個別に確認していただく必要があります。

「気軽に相談してほしいので、相談は何度でも無料」という事務所もあれば、「初回相談は無料」という事務所もあります。また「初回相談時は〇分まで無料、その後は有料」などと、決められています。相談料については、ホームぺージなどからも確認できるものも多いので、先に確認していただくこともおすすめです。

それらを確認せず「ちょっと教えてほしいんだけど」といきなり電話して本題を話そして、無料で聞けるものだけ聞いてみようというやり方をすると、多くの場合「一般的にはこうなります」という一般的なお答えしかできません。

相談される方と行政書士、どちらにとっても時間の無駄になることが多いため、お勧めすることはできません。

無料相談が良ければ、行政書士会の相談会を利用しよう

「行政書士事務所に行くことも、相談することも、これまでになかった」という人も多いと思いますので、あまりなじみのない話かもしれません。

各行政書士事務所によって、事務所ごとのルールが違うのでびっくりする方も多いと思いますし、「やはり最初は無料相談を利用したい」という方も少なくないでしょう。

そんな時に利用できるのは各都道府県の行政書士会で開催される無料相談会です。「無料がいい」と思う場合、自宅や勤務先の近くで行政書士による無料相談会があるか、各行政書士会に問い合わせてみると、該当する相談会を案内してもらえると思います。

実際に相談にいくのはどうすればいいの?

さて、無料相談会ではなく行政書士事務所へ相談したいことがある場合、どうしたらいいのでしょうか?

その事務所のホームページやSNSがある場合、一度アクセスしてください。多くの場合、相談申込方法が記載されています。 申込方法がわからない場合には、問合わせ用の電話番号かメールアドレスに連絡して相談したい旨を伝えましょう。

相談申込時に伝えるポイント

ここから先は、相談申込時に伝えたていただきたい点を取り上げます。

  1. 相談したい内容
  2. お客さまのお名前
  3. ご連絡先
  4. 希望日(複数の候補があると助かります)

お電話で申し込んでいただく場合、相談内容を整理してから伝えることをお勧めします。
また相談の際に用意するものがあるか、確認しましょう。

物損事故が再捜査!どんな時?何をするの?

交通事故の多くは物損事故と扱われ、刑事事件になることはさほど多くないと言われています。

しかし時には、最初はただの物損事故として処理されたはずなのに、その後人身事故になったり、刑事訴訟にまで発展してしまうことがあります。今回はそんなお話です。

 

再捜査が命じられる場合

さて交通事故の内容によっては、再捜査が命じられることがあります。被害者や関係者が強く再捜査を求め、それが認められた場合のほか、所轄の警察からの報告書を県警が見た結果、再捜査を命じて差し戻す事例もあるようです。

また、加害者の行動が悪質だと思う場合にも、物損事故として処理することが妥当とは言えず、再捜査になることもあります。

さて再捜査になる場合、「交通事故の件ですが、当初は物損事故として処理されていたが、再捜査の必要があるので、都合の良い時に警察署に来てください。」という連絡が警察署からきます。

電話で来ることも多いのですが、最近では警察を語った詐欺電話もあるので、本当に警察からの電話か、かけてきた人はだれか、必ず確認しましょう。

また留守番電話設定をして置き、要件、警察署名、担当者名、要件を吹き込んでもらい、警察署にこちらから電話をして本当か確かめる方法もあります。

警察署では何をするの?

さて警察署では、事故の状況などを再確認することから始まります。「また同じ話をしなくちゃいけないの?」と思うかもしれませんが、できるだけ正確に話すようにしましょう。

ドライブレコーダーに画像が残っていれば、その画像を使えるかもしれません。しかしドライブレコーダーの映像は、時間が経つと消えてしまうので、交通事故の映像はあらかじめ残しておかれるとよいと思います。

自分の記憶だけを頼りにする場合、できるだけ冷静に、小さなことでも話すようにします。さらに「加害者に対してどう思っているか」「加害者を罰してほしいと思うか」ということも聞かれます。

再捜査の目的は被害者救済だけではない

お叱りを受けるかもしれませんが、この再捜査の目的は被害者の救済だけではありません。「加害者にどんな罰を与えてやろうか」という材料とする目的もあるのです。

そのため、いろいろと話した割には自分の思うような結果にならないかもしれません。一人で対応するのは精神的にも大きなストレスになりますので、できることであれば、お早めに交通事故対応に詳しい弁護士へご相談されることをお勧めします。

 

 

行政書士の勉強会と有料講座について

今日はお客様との打ち合わせ後、研修会に出席してきました。時間がないので、食事は駅の自動販売機で買ったカニ雑炊。

今回受けたのは、行政書士会主催ではなく、行政書士の有志が開催する勉強会なのですが、人によってはカモにされていると感じるようです。今回は行政書士向けの有料講座についてお話ししたいと思います。

行政書士会の研修ではすべても網羅できない

行政書士向けの研修は、日本行政書士会連合会の「中央研修所」で無料のWEB研修を受講できるほか、各行政書士会でも無料あるいは低価格での研修の受講ができるのですが、すべての研修を中央研修所や行政書士会で網羅できるわけではありません。特定の分野について「もっと学びたい」と思う場合には、さらにお金を出してもっと学んでいくことになります。

また中央研修所や行政書士会の場合、研修をやりたいからと言ってすぐにできるわけではありません。研修を開催するまでは、企画・立案・講師の確保、予算の承認といった手順が欠かせないので、自分の受講したいものや学びたいものがある場合、行政書士会主催のものだけでは、何年も待つ羽目になるかもしれません。
 

有料コンテンツが高くなるのはなぜ?

当然のことですが、今欲しい知識やノウハウを学ぶため、自分たちで作ってしまおう、という人が出てきました。これは当然の流れであり、行政書士の世界に限ったことではないと思います。自分も含め、その恩恵を受けている行政書士も少なくありません。

また、行政書士会が開催する場合には、研修用の部屋や必要なテキスト作成、経費は、行政書士会から出されるので、費用は比較的安く済みます。しかし、個人や有志でやる場合には、研修会場やテキストの作成などはすべて自分たちで行うことになります。その場合、費用が高くなるのは当然です。有料=カモにしているとは言い切れないと思います。

見分けるのは自己責任

時折指摘されることですが、有志の行う研修には粗悪なものも含まれます。「研修とか言って商材を売りつけようとした」「内容があまりにもお粗末だった」という話もあるので、申し込む前に注意が必要です。確かに気の毒な話ですが、最終決定は自分でしなければいけませんどんな研修を申し込むか、ということも当然に含まれるのではないでしょうか?

そしてもう一つ、「自分に合わなかった」という理由で「あの研修はダメ」とも言えません。よく考えて決めることはもちろんですが、まわりの行政書士との情報交換や情報共有をすれば、「変な有料講座に騙された」というリスクは減らせるはずです。

死亡事故を起こしてしまった友人の話

十年以上前の冬、仲の良い友達が交通事故を起こしてしまい、残念なことに被害者が亡くなられました。被害者のご家族はもちろんですが、加害者となってしまった友人にも立ち直るための時間が必要で、今もまだ自動車の運転ができない状態です。

この記事を書いていいか迷ったのですが、交通事故の加害者がどれだけ重いものを負うのか知っていただきたいと思い、また加害者側は責任をしっかり負うとともに、助けが必要であることも知ってほしく、この記事を書くことにしました。

私はその友人が加害者の方への謝罪を精一杯行っていたことを知っており、今でも大切な友人であることには変わりないので、個人情報には十分配慮したうえで、書いていきます。

 

すぐ警察と救急車を呼んだのに

当時住んでいたのは、さほど大きくない地方都市でした。共通の友人から「〇〇が事故を起こしたって」という話を聞いた時には、まずは車の損害と本人のケガを心配しました。

しかし「すぐ警察と救急車を呼んだんだけど、相手の人がなくなったって」という話を聞きました。もちろん友人本人もケガをしており、病院受診後に一度自宅に帰ることが出来たのですが、食事もとれないくらいのショック状態でした。

警察での勾留

一度は家に戻ることが出来ましたが、その後、自宅に警察官が来て連れていかれ、警察署で勾留されたそうです。

いくぶん落ち着いた後に聞いた話ですが「死亡事故を起こしてしまった人は、自殺をしてしまうこともあるから、自殺防止のためにも警察に泊まってもらう」と説明されたそうです。

担当してくれた人はけっこう優しくて、「けがは痛まないか?」と聞いてくれたり、「くさい飯って言われることもあるけどそれは昔の話で、昔ほどまずくもくさくもない。体のためにも食事はちゃんとたべるように」と言われたことを話してくれました。

「ひどいことはされず、こんなことをした自分に優しくしてくれて、心が痛んだ」と言っていたのが、印象に残りました。

辛かったのは周りの対応

さて、警察の対応は思っていたよりひどくなく、少しほっとしたのですが、「ショックだったのは、△△から『お前のやったことは人殺しだ』と言われたこと。△△はこの事故と関係ないのに」

△△とは、共通の知人です。「死亡事故を起こしたのでは、言われても仕方がない」という意見もあるのかもしれませんが、死亡事故を起こした加害者がすべきことは、今後の償いです。悪口を言ってさらに痛めつけることは賛成できません。

ひどいことを言われながらも、償いの日々は続きます。この話は、機会があればまたお話ししたいと思います。

自動運転車では交通事故は起きないのか

今回は自動運転車は安全なのか、事故を起こす心配はないのか、書いていきます。
テレビのコマーシャルでも、自動運転車がPRされています。自動運転車の購入を検討されている方は、是非チェックしてくださいね。

自動運転車では事故は起きないのか

大前提として、「自動運転の技術が高い=安全性が高い」ということは言えません。技術力と安全は比例するわけではないので、自動運転車だから絶対に事故は起きないと言い切ることはできません。

事故が起きたら、誰の責任になるの?

もし自動運転車で事故を起こしたら、その責任は誰にあるのでしょうか?

安全運転支援システム(レベル1)や准自動走行システム(レベル2)が搭載された自動車の場合には、運転者が運転に大きくかかわっているため、当然にドライバーが責任を負うことになります。

その一方、准自動走行システム(レベル3)の車で事故が起きた場合には、少々事情が変わります。准自動走行システム(レベル3)は、一定の条件のもとではシステムがすべての運転操作を行います。条件を外れた場合や条件のもとであっても自動運転が難しいと判断した場合には、システムではなくドライバーが運転することになります。この場合にはドライバーとメーカー、両方の責任が問われると予想されます

さてレベル1~3まではドライバーが運転に関わります。しかしながらレベル4の完全自動走行システムは、人には依存しません。ドライバーの存在は前提となりません。車の所有者は、ソフトウエアのアップデートなどがを行う義務がありますので、レベル4の車でも、ドライバーの責任はゼロにはなりません。

 

さいごに

自動運転車はより安全な自動車として注目されており、高齢者による交通事故問題も解消することが期待されています。そして公共交通機関の恩恵を受けられない地域では、新たな交通手段としても使うことができそうです。

しかし今後克服しなければならない課題もあり、これからの課題と言えるでしょう。

例えば、自動運転車と人間が運転する車が混在する場合にどうするのか、という問題点があります。自動運転車とそうでない車が道路上で混在した場合、これまで思いもよらなかったトラブルが起きる可能性があり、その対応が求められるでしょう。

このブログを書いている時点では、まだわからないことも多いです。今後分かることがあれば、あらためてブログでご紹介できればと思います。本日も読んでいただきありがとうございました。

 

行政士試験合格発表によせて

もうすぐ行政書士試験の合格発表です。このブログを読んでくださる方の中にも、行政書士試験を受験された方もいらっしゃることと思います。交通事故業務を扱う行政書士の方が増えてほしいと願っていますが、今回は行政書士試験合格後にすることを少しだけお話ししたいと思います。

忘れないでほしいこと

まずこれは、行政書士になるか、ほかの道を選ぶかにかかわらず、忘れないでほしいことです。

行政書士試験に合格しただけでは、人生はバラ色にはなりません。これから先も継続的な努力を続ける必要があります。もちろん行政書士試験の合格は大いに喜ぶべきことです。でも、ひとしきり喜んだ後は、次のステップに向けて進みましょう。

この先どうするか?

合格後の進路として多いのは

  • 行政書士事務所の開業準備
  • 就職活動
  • 別の資格試験の学習

などと思います。

もし行政書士事務所を開業したい場合には、

  1. 事務所運営の資金はできるだけ多く確保
  2. 勉強を続ける
  3. 心身の健康を整える
  4. 可能なら人脈を作る

この4点も考えてください。

さて行政書士事務所を開業すれば、登録費用、家賃、研修費用、備品など、仕事が来なくても出費があるため、資金はできるだけ確保した方が、安心して事務所運営できると思います。

勉強を続ける理由ですが、一度勉強の習慣を全くなくしてしまうと、また勉強の習慣をつけるのは大変なことです。行政書士は法改正等にも対応しなければいけませんし、新たな業務への勉強も必要です。

さて、行政書士試験をはじめ、国家試験の受験には心身ともにかなりのエネルギーを使います。試験が終わった今、心身のメンテナンスをしましょう。これは本当の話ですが、行政書士になってから体を壊してしまった…という方もいます。

最後の人脈作りは、特別なことをする必要はありません。まずこれまで支えてくれた人や応援してくれた人に対して「無事に合格しました、これまでありがとう」と感謝の言葉を伝えましょう。

何かをしてもらったときに感謝を伝えるのは礼儀ですし、「これから行政書士になる」と認識してもらえるチャンスなのです。

登録に向けてのステップ

さて行政書士になるためには、事務所所在地の都道府県にある行政書士会を通じて行政書士登録を行う必要があります。

事務所をどこに置くか決めたら、早めに行政書士会のホームページにアクセスしましょう。登録したい方向けの情報や、連絡先が載せられていますので、それに従って手続を進めてください。

行政書士の世界とネガティブ投稿に物申す

最近、自分を取りまく行政書士の世界では少々動きがありました。やっと通常業務に戻りつつあります。謎の多い行政書士の世ですが、最近ではSNSで色々と発信している行政書士も増えました。さらに資格の特集等で行政書士が取り上げられる機会も増えています。その分謎も増えているような気もします。

行政書士の世界の仕組みや内情について書いていくので、少しでも知っていただけるとうれしいです。

各都道府県に行政書士会

行政書士として仕事をするには、各都道府県にある行政書士会に加入しなければいけません。これは法律で決まっているので、個人で事務所を開く場合には、事務所所在地を置く行政書士会に登録をします。もぐりで行政書士を名乗ったら法律に違反することになりますので、これから行政書士になりたい方はくれぐれもご注意を。

さてこの行政書士会ですが、業務に関する研修や情報発信もしてくれます。自分の取り扱うことが多い交通事故業務に関するものはもちろんですが、色々とお世話になる場所なのです。

役員改選と定時総会

さて行政書士会は、会長をはじめとする役員がいるわけですが、それらの役員が決まるのが5月頃。ちなみに自分が所属している場所は2年に一度、役員の改選があります。

毎年5月に定時総会がありますが、役員の改選はその際に行われます。私自身はあまりそういう気持ちにはならないのですが、会長になりたい、役員になりたい、という人は少なくないようです。

最初に5月、6月は少々動きがあったと書きましたが、まさにこのことです。

2年に1度のイベントなので、役員の改選がある年の総会はかなり盛り上がるのですが、それと時期を同じくして「会長候補の〇〇を応援してください」という電話の対応に追われる時期でもあるのです。

会長をはじめ役員は、誰かがやらなくてはいけません。やりたい人にはぜひ頑張っていただきたい。しかし通常の業務をしている最中の電話には、仕事の手を止めてでなくてはいけないので、少々困りました。電話だけでなくメールや手紙も読むのにそれなりの時間がかかるんです。

 

ネガティブ発言に異議申す

最近、個人的にひかかっているのが、行政書士会や行政書士会の役員についての、ネガティブな投稿です。

人間同士ですから合う合わないはあるでしょう。怒りたくなるような目にあうこともあると思います。しかしSNSで名指しで悪口を言ったりするのは賛成できません。

行政書士ではない人が見た時に、不安な気持ちにさせたり、マイナスのイメージを持たれてしまうからです。書いている人はそういったリスクを考えているのでしょうか。

このブログもですが、そういったネガティブ情報はうのみにしないこと、拡散しないことを徹底していきたます。

能登地方での地震御見舞と、災害時のアクシデント防止策

まずはじめに、2023年5月5日14時42分、能登地方で発生した地震に遭われた皆様、被害を受けられた皆様に対して、心よりお見舞い申し上げます。また、能登地方にご親族やお友達がいらっしゃる方々も、心を痛めておられることと思います。しばらくは大変な状況が続きますが、病気やけがに気をつけて落ち着いて行動していただき、一日も早い復旧を願うばかりです。

このブログは交通事故や自動車保険の話を中心に書いているブログですが、今回は災害時に交通事故を含めてあらゆるリスクを減らすにはどうすればよいか、自分の経験も含めて書いていければと思います。

私自身、東日本大震災で被災した経験があり、その後の混乱した状況はいまでもはっきりと覚えています。地震のような災害発生後、混乱した状況になりますから交通事故を含めたリスクが高くなってしまいます。災害に巻き込まれずに過ごせれば一番良いのですが、こればかりは何とも言えません。いざという時、本日の内容が少しでもお役に立てばと思います。

 

災害後、落ち着いて行動する

「落ち着いて避難してください」

災害が起きると、こんなアナウンスが流れることが少なくありません。災害そのもののせいでケガをする人もいますが、災害後のパニックによって起きたアクシデントでケガをする人も少なくないからです。

これは災害発生直後の話とは限りません。

私の見たことですが、東日本大震災の時にはガソリンが不足し、数週間の間はガソリンスタンドの列に並ばなくてはいけませんでした。これはなかなか我慢が必要です。

感情を爆発させても仕方がないのに、順番待ちの車から降りてガソリンスタンドの人に文句を言っている人がいたのですが、車に戻ろうとしたところ、道路の亀裂に足を取られて転びケガをしてしまいました。

落ち着いて考えればガソリンスタンドのせいではないことくらい、すぐにわかります。落ち着いて考えて行動すれば、こんなつまらないケガはしていないでしょう。他の車と接触しなかっただけ、ましかもしれません。

必要以上の外出は避ける

災害時であったとしても、通院、日用品の買い物、家族の送迎など、どうしても必要な外出があります。通れない道があれば、その分他の道が混雑しますので、混雑する時間はできるだけ避けることをお勧めします。

加えて野次馬として、災害の状況を見に行くといった行為はやめましょう。災害に遭った場所ですから、足場が悪い、交通の便が悪い、ということは当然ですが、それに加えて、地域で暮らしている人達の感情を逆なでする行為です。当然トラブルになりえます。

「野次馬なんかじゃない、救援ボランティアにいくんだ」という場合にも、準備せずに現地に行くことはやめましょう。救援ボランティアに参加したいと思った場合には、まず情報収集をしてください。直接被災地の役所に電話で問い合わせてはいけません。SNS等で情報発信されている場所も多いので、まずはそれらを確認することをおすすめします。

 

外国人が日本で交通事故を起こしたらどうなるのか

前回このブログでは、日本で暮らす外国人が交通事故に遭った場合どうなるかを説明しました。しかし外国人の方が加害者になってしまうこともありえます。今回は、万が一外国人が交通事故の加害者になった場合、どうなるのか書いていきます。

交通事故の時、どの法律が適用されるの?

日本で交通事故が起きた場合、加害者が日本人か外国人かに関係なく、原則として日本の法律が適用されます。そのため外国人が加害者であったとしても、日本の法律に基づいた損害賠償が行われます。

損害賠償をしてもらえるの?

日本人が加害者の場合でもありえることですが、加害者である外国人が「任意保険に加入していない」「支払い能力がない」ということがありえます。外国人との間で交通事故が起きた場合、任意保険に加入しているか、また外国人が運転していた車の所有者や勤務先の連絡先がなども、必ず確認しましょう。

さらに外国人の場合、別の問題もあります。日本語が十分に話すことができない場合、どんな損害が生じたか、損害賠償をどうするか、話し合いが難航する可能性が高くなります。

もし日本語でコミュニケーションが取れる場合であったとしても、本国に帰ってしまう可能性があえます。もし示談が済む前に帰国してしまったり、損害賠償の支払いをせずに帰国したような場合には、損害金の請求を行う権利はあるものの、実際に回収するのは難しくなります。

早めに弁護士に相談しよう

さて、もし外国人の運転する車にぶつけられてしまった場合、最初にするべきことは日本人同士の事故とさほど変わりません。

  • まず必ず警察を呼びましょう。
  • けが人がいれば救急車を呼びます。
  • 事故現場の写真を撮るなどして、事故の記録をしましょう。
  • 加害者の氏名、住所、連絡先を確認します。
  • 連絡先は本人の電話番号だけでなく、勤務先も確認すると効果的です。

さらにこういったトラブルは、早めに弁護士に相談してください。なぜなら面倒な示談交渉などは、弁護士が代わりにやってくれるので、余計なストレスを抱えずにすむからです。ご自身の加入している保険に弁護士特約が付いていれば、そちらを利用することもできるでしょう。

気をつけなければいけない点として、すぐに弁護士が見つかる保証はありません。各弁護士事務所にも都合がありますので、対応してもらえる弁護士事務所が見つかるまで、時間がかかる場合もあります。弁護士は早めに探すことをお勧めします。

外国人が日本で交通事故に遭ったらどうなるのか

コロナ禍が治まり、日本に来る外国人の数が増えてきました。就労、観光、どちらで日本に来る場合であっても、楽しく過ごしてほしいと思いますが、時には交通事故に巻き込まれるかもしれません。

今回は外国人が日本で交通事故に巻き込まれてしまった場合、どのように扱われるか書いていきたいと思います。

原則として日本の法律が適用される

外国人が日本で交通事故に遭った場合、日本の法律が適用されます。日本の民法に書かれている賠償規定や、自賠責法は外国人の被害者にも適用されます。加えて在留資格がどのようなものかも考慮される場合があります。

例えば、損害賠償の対象期間が日本への滞在見込期間を超えるような場合などが、これに該当します。なお損害賠償については、本国での生活水準も考慮される可能性があります。

損害賠償に含まれるもの

日本人の場合と同様に、外国人にもしかるべき損害賠償がされます。しかし外国人の場合、日本人にはない下記の費用も含まれます。

  • 本国で治療した治療費
  • 治療のための渡航費用
  • 死亡した場合、遺族の渡航費用

治療のため本国に帰国した場合、本国での治療にかかった治療費や渡航費用も、損害賠償の対象になります。

休業損害や逸失利益は在留資格による

日本人の配偶者、永住者など

日本人の配偶者、永住者の方は、日本にずっと滞在するものと想定されています。そのため日本で働いている場合、日本人とほぼ同じ基準が適用されます。

就労可能かつある程度長期の滞在が予定される場合

就労可能な在留資格があり、なおかつある程度長期滞在が見込まれる外国人の場合には、日本で働いた収入額を考慮して計算されます。

損害賠償の対象期間が在留期間を超える場合には、更新後の期間も含まれる場合があります。

短期滞在などの場合

短期滞在は、多くの場合就労そのものができません。

すぐに本国に戻ることが想定されているため、本国における収入額をもとに計算されます。

相続は本国の法律を適用

外国人が事故のせいで死亡した場合には、例外です。相続に関しては、日本の法律は適用されず、亡くなった方の本国の法律が適用されることになりますので、ご注意ください。

行政書士からのお願い

今回は外国人が日本で交通事故に遭った場合にどうなるか、説明しました。行政書士として仕事をしていると、交通事故業務だけでなく、外国人の方や雇用主からのご相談を受けることもあります。中には在留資格の更新をぎりぎりまでしない方もいらっしゃいます。

ご事情があると思いますが、万が一の交通事故の際には、それらがマイナスに働く場合がありますので、在留資格の更新や変更は、速やかに余裕をもって行ってください。