無免許で交通事故を起こした場合の刑罰

自動車やバイクを運転するには免許を取得する必要がありますが、もし、違法である無免許運転をして、さらに交通事故を起こしてしまった場合、どのような刑罰があるのでしょうか。今回は無免許運転の交通事故の刑罰について解説します。

無免許運転の定義

無免許の交通事故について知る前に、そもそも無免許運転とはどのような定義なのか、知っておきましょう。無免許運転については道路交通法の第六十四条に詳しく記載されているので、それを以下よりわかりやすく説明します。

運転免許証を一度も取得したことがない

運転免許証は、教習所に通う・試験を受けるなどして自身の免許証を発行してもらうことが可能です。しかし、そのような一連の道程を歩まずに、一度も運転免許証を所持した経験のない人は、車やバイクを運転する資格はありません。その決まりを破って運転する人は違反となります。

運転資格がない乗り物に乗っている

運転免許証にはさまざまな種類があり、自分が乗車する自動車やバイクに合わせて、それを対象とした免許証を取得・所持する必要があります。

例えば大型トラックは大型免許を取得する必要があり、それ以外の普通免許やバイクの免許を持っていても運転はできません。そのため、大型免許を持っていないのに大型トラックを運転することは違法に該当します。

免停期間中

過去に交通違反などを起こして、違反点数の合計がある点数まで到達すると、免停処分が科せられて運転が禁止となります。免停期間は点数によって異なり、最小で30日、最大で180日です。この免停中の運転は無免許運転の一種なので、これが発覚すると免許取り消しとなります。

免許取り消しの欠格期間中

免許の取消しは過去に違反で付けられた点数によって、いくつかのタイプがあります。付けられた点数の数で免許再取得ができるまでの欠格期間が異なり、その期間の幅は短くて1年、最長で10年です。この欠格期間中に「過去に運転の経験がある、運転には自信がある」などの理由で運転しても、当然ながら無免許運転扱いです。

免許更新をしない

運転免許は数年に1回更新をする必要があり、更新をしなかった場合は運転資格の停止の扱いになります。特に違反行為をしていなくても、この時点で免許停止の状態なので無免許と同様です。ただし、失効日から半年以内に講習を受講して、視力や動体視力の適性試験を通過すれば、免許証の交付が可能です。

無免許運転で交通事故を起こした場合

無免許での交通事故は、罰金や保険などはどのようになっているのでしょうか。以下より具体的な説明をします。

罰金、違反点数

上記のような無免許運転に該当する状態で交通事故を起こすと、50万円以下の罰金および3年以下の懲役が科せられます。それに加えて違反点数が25点も付くので、数ある交通違反のなかでも重罪の扱いです。そして、交通事故の内容によってさらに点数が付加されて、刑事罰としての罪が重くなります。

保険は適用されるのか

無免許運転で交通事故が発生して、もし加害者が自賠責保険や任意保険に加入していた場合、対人・対物賠償保険は保険の対象内です。そのため、被害者が大きな損害を受けてもこれらの保険が補償してくれるので、被害者や被害者の所有物に関してはケアできます。

しかし、保険は被害者には適用されますが、加害者は対象外です。そのため、大きな損害が発生しても自身で処理しなくてはいけません。そして、無免許運転の車に同乗者がいた場合、運転者が無免許であると知っていた・知らなかったによって保険は対象内・対象外と変化する仕組みです。

知っていた場合は、搭乗者傷害保険人身傷害補償保険の保険金が支払われないケースもあり、仮に支給の対象内となった場合でも、減額する可能性もあります。また、同乗ではなく車を貸し出した場合でも、無免許だと知っていた場合は保険は適用されず、事故による車の修理代は一切支給されません。

まとめ

車の無免許はそれだけでも決して軽い罪ではありませんが、さらに交通事故を起こしてしまった場合、莫大な損害をこうむります。最悪の事態を引き起こさないように、絶対に無免許運転はやめましょう。

 

以上