交通事故における行政書士と弁護士の違い、行政書士に依頼した際のメリットとは

交通事故が原因でトラブルに発展した場合、トラブル解決の手助けをしてくれるのが、公平な立場であり法律の専門家である行政書士です。しかし、交通事故のトラブルを扱う専門家は、行政書士だけでなく弁護士もいます。今回は、この二つの違い、そして行政書士に依頼した際のメリットについて解説していきたいと思います。

行政書士と弁護士の違い

交通事故のトラブルにおける行政書士と弁護士の違いとは具体的にどういったものなのか、次より紹介します。

示談交渉

弁護士は、本人の代理人をする権利が全面的に認められています。加害者と被害者が交渉を行って話がややこしくなっても、弁護士がどちらかの代理人を務めれば、豊富な知識と経験により話を丸く治めることが可能です。

しかし、行政書士には交渉ごとに代理で示談交渉をすることは禁止されています。もし、行政書士が代理人を行った場合「非弁行為」とみなされて、処罰を受けなくてはいけません。

裁判

加害者と被害者の交渉が決裂した場合、訴訟を起こして裁判に発展するケースもあります。しかし、裁判は専門的な知識が必要であり手間もかかるので、一般人が自身で行うと大変な労力を費やさなくてはいけません。

そのため、ほとんどの人は裁判をする場合、専門家を雇って代理人になってもらいます。この際、弁護士は代理人を務めることが可能ですが、行政書士は裁判代理権はありません。示談交渉のときに述べたように、代理を行った場合、処罰されます。

法律知識

法律に関しては弁護士が専門家なので、法律に関する知識は弁護士が圧倒的に上です。行政書士は法律の知識にそれほど詳しくなくても、資格試験は合格できます。

行政書士に依頼した場合のメリット

上記のように、行政書士と弁護士では、弁護士のほうができる業務の範囲が広いです。では、交通事故に関するトラブルを行政書士に依頼した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下よりそのメリットを見てみましょう。

行政機関との交渉が円滑に進められる

行政書士の主な業務は、区や市の役所への書類作成および申請、提出です。そのため、常に役所や警察署に出入りするのに慣れているので、各窓口への手続きを時間をかけずに円滑に実施することが可能です。

親身になって相談相手になってくれる

行政書士には依頼主の交渉代理人になる権利はないですが、相談にのることは可能です。行政書士は交通事故に関する書類作成をする場合、作成時という範囲内であれば、依頼主の相談に乗ることは許されています。

ただし、この際に示談交渉や裁判の進め方などのアドバイスをすることは、違法なのでやってはいけません。また、行政書士の事務所は、交通事故に関する過去の実績を多く残しているところが少なくありません。弁護士事務所より敷居が低く相談受付の入り口も多い行政書士は、初めての人でも相談しやすいところといえるでしょう。

後遺障害認定について詳しい

後遺障害とは、交通事故で負ったけがが治療を重ねても改善せず、障害が残ってしまう状態のことです。事故の障害を損害賠償と認定して賠償金額を受け取るには「後遺障害等級認定」の申請をする必要があります。

しかしこの申請は障害を裏付けるためのさまざまな資料が必要なので、一般人が行うと手間がかかるでしょう。行政書士は、交通事故に関するトラブルのなかでも、後遺障害に関する知識を豊富に持っている人が多いです。等級認定の申請を希望している場合、行政書士に相談すれば、さまざまなアドバイスおよび書類作成を代理で行ってくれます。

まとめ

行政書士は、弁護士に比べると業務の範囲が狭いため、完全な代理人を行うことはできません。しかし、交通事故の案件を得意としている事務所は多いので、交通事故のトラブルで頭を悩ませている場合、気軽に相談しやすいといえるでしょう。

もしトラブルを抱えているなら、相談をおすすめします。

以上